日本語訳
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料理と調理で解釈してみる映像作品の構成とストーリー日本語訳/コンテンツについて 2025. 4. 30. 22:58
*本記事の特性上、作品のネタバレが含まれています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。 今回の投稿は、読みながら少しお腹が空いてくるかもしれません。最近、興味深く鑑賞したりプレイしたりした作品が、明らかに似たようなストーリーテリングを持ちながらも、それぞれの個性が明確で「別の作品」と感じられたからです。ただ、これらの作品の構成や結末、進行がある程度予測できるのに、飽きずに似たようなジャンルを楽しめる理由は何なのだろうと考えてみました。そして私なりの解釈を効果的に伝えるにはどうしたらよいか…と悩んだ結果!そう、「料理」に例えると、非常にしっくりくるような気がしたため、今回はこのテーマでお届けします。 まず、今回興味深く視聴したりプレイした作品とは、映画『DUNE/デューン』、アニメ『逃げ上手の若君(以下:逃げ若)』、そして以前にも紹介したゲーム『ユニコーンオーバーロード』です。こ..
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『十三機兵防衛圏』――デカルトの悪魔を瓶詰めにして、面白いものをたくさん詰め込んだ作品日本語訳/ゲームコンテンツ 2025. 3. 30. 23:32
※本記事には作品の重大なネタバレが含まれています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。 https://www.youtube.com/watch?v=K4rCzA8fS84&t=18s&ab_channel=LEMMiNO 現代哲学の巨匠であるアメリカのヒラリー・パトナム教授は、座標平面を考案したことで有名なルネ・デカルトの「デカルトの悪魔」と似た理論を提唱しました。それが今回取り上げる「脳の中の缶詰(ブレイン・イン・ア・ヴァット)」です。今、皆さんが呼吸をしながら家族や友人、同僚と話したり、パソコンやスマートフォンの電源を入れて使ったり、お腹が空いたからご飯を食べたり——これらすべてがシミュレーションに過ぎないかもしれない、という理論です。実際のあなたはどこかの研究所に置かれた栄養液に浸された脳だけの存在であり、そこに接続された装置が、あなたの脳内に仮想現実を流し込んでいて、そ..
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『ゾーン・オブ・インタレスト』– 適応というもの日本語訳/映画コンテンツ 2025. 3. 20. 23:31
*本ポストの特性上、作品のネタバレが含まれています。ネタバレを望まない方はご注意ください。 https://www.youtube.com/watch?v=GFNtVaAuVYY よく「人間は適応の動物だ」と言われます。この言葉は、他の動物や生物とは異なり、人間は環境が変化してもそれに適応しながら生存能力を極限まで高める進化論的な戦略を選択してきたことを説明する際によく使われます。だからこそ、野生のライオンは北極にはおらず、野生のペンギンは熱帯地方にはいませんが、人間は地球のあらゆる場所に居住地を作り、生活を営んでいます。もちろん、裸一貫で生きるのではなく、さまざまな道具を活用し、その地域に適応できる環境を構築することで実現しているのです。 今回、カンヌ映画祭からアカデミー賞まで、世界中の名だたる映画賞で数々の賞を受賞した作品であり、韓国で著名な映画評論家でありながら、決して簡単..
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「犯罪都市4」-ヴィランのキーワード-日本語訳/映画コンテンツ 2025. 2. 27. 22:25
*本ポストの特性上、作品および前作のネタバレが含まれています。ネタバレを望まない方はご注意ください。 現在の韓国映画界において、まるで国民食のように安定感があり、満足感を与える映画シリーズが登場しました。すでにシリーズ3作連続で1,000万人以上の観客を動員した『犯罪都市』シリーズです。俳優マ・ドンソクが映画の確固たるペルソナを確立し、シンプルかつ爽快なカタルシスを観客に提供するヒーロームービーとして絶賛されています。(もちろん、この映画がここまでの人気を獲得した背景には、スクリーン独占などの複合的な要因もありますが、本ポストでは作品の演出に焦点を当てます。) https://www.youtube.com/watch?v=n8mwLIy8prU 今回の『犯罪都市4』は、まるで官(公権力)が主役の武侠映画のようでした。本来、武侠とは地方豪族や自警団、独立勢力といった小規模な組織が..
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劇場版『ブルーロック -EPISODE NAGI-』-キャラ関係図のクリシェ破壊日本語訳/映画コンテンツ 2025. 2. 12. 21:52
*本ポスティングは作品のネタバレを含んでおります。ネタバレを欲しない方はご注意ください。 https://www.youtube.com/watch?v=NAlKBPMJ3Qs&ab_channel=EMOTIONLabelChannel 一時、韓国で世間的な人気を呼んだミームがありました。 「ツマらなすぎて死にたくなった。」 「私にとってサッカーは殺人だ。」 「私、降臨」といった中2病を想起させるインパクトの強いセリフが大流行し、何度もネットミームに使われました。 このミームを生んだ元作の名前は『ブルーロック』。現在アニメーション版は韓国でも声優吹き替え版が流れるほど人気を下支えしております。 日本がワールドカップで優勝するため、最強のエゴイストFWを育成することを目標にし、 『ブルーロック』と呼ばれる特殊なファシリティーを設置。 ここに日本全国のストライカーの有望機々300..
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[葬送のフリーレン] -ギャップ萌えの教科書-日本語訳/アニメーションコンテンツ 2025. 1. 14. 02:01
※本記事には作品のネタバレが含まれています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。 https://www.youtube.com/watch?v=iqsnJJK8GA4 2023年秋アニメ、そして2024年冬アニメのトップを争ったファンタジーアニメには、[ダンジョン飯]と並ぶもう一つの作品がありました。いくつもの「ミーム」を生み出し、『推しの子』のオープニング曲を担当したことで有名な「ヨルシカ」が第1クールのオープニング曲を、また「グッバイ宣言」で社会現象を巻き起こした「YOASOBI」が第2クールのオープニング曲を務めたことで知られる[葬送のフリーレン]です。 [葬送のフリーレン]は原作漫画ももちろん人気がありましたが、『進撃の巨人』のように、アニメというトランスメディア化によって大きな反響を巻き起こし、一層注目されるようになった作品の一つです。特に原作者独特の「静かな戦闘シ..
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【最近日本で放送中の中国アニメを見て考えた韓国アニメーションの未来】日本語訳/コンテンツについて 2024. 12. 14. 02:42
2024年の第2四半期における日本国内のアニメ放送リストを見ると、中国アニメがなんと3作品以上も編成されています。ここでの中国アニメの定義は、「中国人監督と中国人制作陣が多数参加し、中国産IPをアニメ化した作品」とします。当然ながら、現在も中国はアニメ制作の下請け作業を大量に受注しており、ある日本アニメでは日本人の制作陣よりも中国、韓国、ベトナムの制作陣の名前が多く見られるなど、主役よりも脇役が目立つような状況もしばしばあります。 https://www.youtube.com/watch?v=WlCi0LhEPVQ&ab_channel=%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB ところが、今回放送されている..
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デウス・エクス・マキナ – 使用方法によっては毒にも薬にもなる!日本語訳/コンテンツについて 2024. 11. 18. 13:36
古代ギリシャの演劇手法の一つで、我が国の言葉で解釈すると「機械装置の神」と呼ばれる手法があったそうです。その名も「デウス・エクス・マキナ(Deus ex machina)」です。特に当時有名だった劇作家「エウリピデス」が好んで使っていた方法だと言われています。簡単に説明すると、英雄の勇者と大魔王が戦っていて、どうしても勇者が勝つ手段がありません。ところが突然!舞台の中央にクレーンのような装置で吊るされた神の姿をした役者がたら〜んと登場し、大魔王をまるでチートプログラムを使うように倒し、勇者を称賛し、劇の全ての葛藤を一気に解決してしまいます。 え?こんな風に終わらせておいてチケット代を取るつもりなんですか?もちろん、現代の視点から見ると「なんだこれは?」と思うかもしれませんが、当時はギリシャ神話が宗教として受け入れられており、彼らにとっては…まあ、神の突然の介入が一種の整合性のある展..