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[葬送のフリーレン] -ギャップ萌えの教科書-日本語訳/アニメーションコンテンツ 2025. 1. 14. 02:01
※本記事には作品のネタバレが含まれています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。
https://www.youtube.com/watch?v=iqsnJJK8GA4
2023年秋アニメ、そして2024年冬アニメのトップを争ったファンタジーアニメには、[ダンジョン飯]と並ぶもう一つの作品がありました。いくつもの「ミーム」を生み出し、『推しの子』のオープニング曲を担当したことで有名な「ヨルシカ」が第1クールのオープニング曲を、また「グッバイ宣言」で社会現象を巻き起こした「YOASOBI」が第2クールのオープニング曲を務めたことで知られる[葬送のフリーレン]です。
私個人的には第2クールのオープニングが特にお気に入りです。ヴィーベルが登場するからではありません。 [葬送のフリーレン]は原作漫画ももちろん人気がありましたが、『進撃の巨人』のように、アニメというトランスメディア化によって大きな反響を巻き起こし、一層注目されるようになった作品の一つです。特に原作者独特の「静かな戦闘シーン」に賛否が分かれる部分がありましたが、アニメではまさに劇場版クオリティの爽快なアクションシーンに生まれ変わり、原作ファンの不満さえも払拭したと言えるでしょう。
https://www.youtube.com/shorts/Uhnh9g-0fEQ?feature=share
ライトノベルや漫画といった静的なメディアが、アニメという動的なメディアへトランスメディア化される際の最大のメリットは「音の追加」だと言えるかもしれません。効果音からBGM、さらには声優たちの熱演まで、静的メディアでは表現できない要素が加わります。中でも、1000年以上生きてきて微妙に倦怠感を感じている主人公フリーレンの演技が特に印象的です。しかも担当声優が、『スパイファミリー』のアーニャ役で知られる種崎敦美さんだったという事実には、エンドクレジットを何度も見返してしまうほど衝撃を受けました。
同じ声優さんが演じたおかげで、こんなネタ画像も生まれるほどです。フリーレンの行動を考えると違和感がない表情ですね(笑) しかし、原作がつまらなければアニメ化というトランスメディアも実現しなかったでしょう。本作の魅力(戦闘シーンを除く)は、原作時点から際立っていたため、アニメでもその人気を獲得できたのだと思います。従来のファンタジージャンルのストーリーテリングから脱却し、一度魔王を討伐し、仲間と旅した道を次世代の弟子たちともう一度たどるという新鮮な物語設定、すでに経験を重ね、賢者のような目線を持つ主人公が見せる独特の視点、そして過去の後悔やほぼ永遠に近い命を持つエルフならではの置いて行かれる者への未練など、これまでのファンタジージャンルにはなかった新しさを、説得力のある構成で描き出している点がこの作品の大きな魅力です。
特に注目される名場面の一つが、純愛の魔王(?)ヒンメルのこのシーンです。 私が面白いと感じたのは、『葬送のフリーレン』に登場するほぼ全てのキャラクターが、「説得力のあるギャップ萌え」を備えており、そのギャップ萌えが他のキャラクターのギャップとも有機的に絡み合っている点です。この点が本作の成功に大きく貢献しているのではないかと思います。このギャップ萌えがインターネット上のコミュニティでネタとして扱われるほどなので、多くの視聴者がこの要素を印象的に感じたのではないかと推測します。
この場合は、逆ギャップ萌えでしょうか? ギャップ萌えとは簡単に言えば、キャラクターの「萌え」ポイントに大きなギャップを持つ別の一面があり、そのギャップがむしろキャラクターをさらに魅力的にする要素として働くことを指します。
例えば、とても強く、実際に武道の世界で名を馳せるチャンピオンキャラクターがいるとしましょう。常に武道の極みを追求し、自己鍛錬を怠らないストイックな人物ですが、自宅では『ハローキティ』のような幼児向けキャラクターの大ファンという、強烈な「ギャップ」が感じられる一面を持っているとします。このようなアイロニーから生まれるのがギャップ萌えです。
この場合、キャラクターの魅力は「ストイックで強くてかっこいい」という従来の魅力に、「全くそうは見えないが、幼児向けキャラクターに夢中な特異な人間味を持つ」というダブルポイントが加わり、一種の「魅力2倍キャンペーン」のような効果を発揮するのです。
このギャップ萌えは架空のキャラクターに限らず、実際の芸能人やアイドルにも当てはまることがあります。例えば、ステージでいつも素晴らしい姿を見せるBTSのメンバーの一人が『メイプルストーリー』の熱心なプレイヤーであることや、俳優のシム・ヒョンタクさんが魅力的な外見に加え、誰もが知る『ドラえもん』の大ファンである点などが挙げられます。
このキャラは、ただの『ギャップ』の例 前回の投稿で説明した「ペルソナ」の概念とも関連がありますが、社会の中で使うペルソナの内側に、このようなギャップ萌え要素が隠れており、それがプライベートでは率直に現れる点において、華やかでかっこいい仮面の裏に「可愛らしい顔」を発見したかのような心理が働く仕組みと言えます。
ちょ、ちょうど探したいい例のキャラだ! しかし、このギャップ萌え要素は日本のアニメ、特にいわゆる「量産型ハーレムもの」で濫用されることも少なくありません。作品そのもののストーリーテリングが薄かったり、制作費が少ないためクオリティが低い場合、何とかしてキャラクター商売や声優との関連商品で売上を上げるために、ギャップ萌え要素を安易に使いすぎることがあります。 例えば、普段はクールでマッチョな女性先輩キャラクターが、主人公の男性キャラと二人きりになると突然甘えたり、無口で感情が薄そうな知的な後輩キャラクターが幽霊や虫に極度の恐怖を抱き、主人公にしがみつくという設定などは、もはやクリシェ(定番化した設定)と言えるほどです。これらは確かに人気を得やすいギャップ萌えの要素ではありますが、多くのアニメレビューユーチューバーに「駄作」や「ゴミ」と酷評されることも少なくありません。
例外の例 こうした作品群の中で、『葬送のフリーレン』は単に理由もなくギャップ萌えを貼り付けたのではなく、不自然さのないギャップ萌えを持つキャラクターたちが互いに調和している点が非常に面白いです。
まず、フリーレンは世界観最強クラスの強さを誇り、常に魔力と感情をコントロールしていますが、長い寿命を持つエルフとしてのんびりした生活を楽しむかのように、寝癖や寝坊癖がひどく、弟子のフェルンがほぼ母親のように世話をしています。
フェルンはどうでしょうか。冷静沈着で感情的になることがほとんどないフェルンですが、彼女の仲間であるシュタルクが自分の気持ちを理解してくれないと、まるでフグのように頬を膨らませたり、シュタルクの背中をドラムのように叩く姿を見せます。まるで、怠け者の娘を持つ母親から、一転して子供じみた夫を持つ妻、さらに恋する普通の少女に見えるような多面的な魅力を持っています。
では、シュタルクはどうでしょうか。斧で断崖を二つに裂き、峡谷を作り出すほどの怪力の持ち主で、自分より何倍も大きいドラゴンをほぼ単独で討伐できるほどの実力者です。しかし、幼い頃からドワーフの師匠アイゼンと二人だけで暮らしていたため、心は純粋な子供のままで体だけが成長しており、雲を見て「うんちの形だ!これをフェルンに自慢しよう」と思うようなギャップを持っています。 これらの三人が旅を続ける中で、それぞれのギャップ萌えが絡み合い、無限に近いシナジーを生み出します。しかも、このギャップ萌えは三人だけに留まらず、フリーレンが初めて冒険を共にした勇者ヒンメルのパーティーメンバーもそれぞれ面白いギャップ萌え要素を持っており、それがナビ効果となって物語の一部を形作っているのが非常に魅力的でした。
진짜 이 캐미는 이루 말 할 수 없죠 ㅋㅋㅋ 本当にこの三人のケミストリーは言葉に尽くせないほどです(笑) 『葬送のフリーレン』は、とても穏やかな魅力を持つアニメです。ゆったりとしたテンポで、まるでふっくら乾いた洗濯物から漂う日差しと柔軟剤の香りを感じるようなアニメです。そんな中で、個性豊かなキャラクターたちの理由あるギャップ萌えが、一人のキャラクターだけで消化されるのではなく、互いに有機的に影響を与え合い、物語の一部となる点は、まさに「ギャップ萌えの教科書」と呼べる作品ではないでしょうか。
やれやれ、同じ仲間のアウラのことをすっかり忘れていましたね!(違う) '日本語訳 > アニメーションコンテンツ' 카테고리의 다른 글
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