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[ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド & ティアーズオブザキングダム]の斬新な楽器演出日本語訳/ゲームコンテンツ 2024. 7. 24. 23:56
*本ポストの特性上、作品のネタバレが含まれています。ネタバレを望まない方はご注意ください。
神ゲーム (今回のポストは既存のポストと異なり、YouTube動画のOSTと一緒に視聴することをおすすめします。ほとんどのポストで説明する部分で再生されるように設定してありますので、説明部分だけ聞いてOSTを止めても大丈夫です。)
Nintendo Switchが広く普及するきっかけとなった一番の功労者[ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド]。そしてその続編である [ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム]が旋風的な人気を博しています。通称ゼルダの伝説ブレワイとティアキンは、オープンワールドゲームの教科書を超えるゲーム性のおかげで、全世界で非常に高い評価を受けています。その中でも、プレイヤーの無意識に関与してさらにゲームに引き込む要素がいくつかあります。最も代表的な部分は瞬く間に引き込まれるブレワイとティアキンのOSTですが、多くのYouTuberたちがミファーのテーマ曲のメロディやシーカー族の村の構成員が追加される際のBGMの変化などについて優れた分析をしています。私は特にブレワイとティアキンのBGMで使用されている楽器に「特異点」を発見したので、説明したいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=GY4WjuVTdvY&ab_channel=VideoGamesMusic
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド メインテーマ まず、ブレワイとティアキンをプレイしたユーザーは感じたかもしれませんが、二作品の主な流れを導く楽器が「ピアノ」であることに気づいたと思います。まず、ブレワイの伝説的なスタートBGMのイントロからピアノで始まります。 そしてブレワイのほとんどのBGMにはピアノが演奏されています。
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 馬で移動時のテーマ 今聴いている馬で走る時のBGM
https://youtu.be/EUbS2LLmdX8?list=PLh4Eme5gACZEAazTK1vSZn3DCYJLQ4YHH&t=163
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド リトの村 夜のテーマ(部分) どの村でも夜になると流れるピアノ
https://youtu.be/yFYEzs6Gvsg?t=45
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド ハイラル城のテーマ(部分) そしてハイラル城のBGMにも
例外があるとすれば神獣ヴァ・メドーに入る時のBGMと、リンクやゼルダよりオリジナル性の強いキャラクターや状況の時のBGMがあります。ここでゲームを進めると、このピアノという楽器が作中の状況に応じて演奏法が変わることに気づくことができます。元々OSTやBGMは作品の雰囲気演出のための重要な装置であることは間違いありませんが、キャラクターの状況演出にも使われる装置でもあります。簡単に言えば、本作のBGMではリンクはピアノを弾く演奏者の右手、ゼルダは左手に例えられます。
リンクは直接動いて悪を滅し、ゼルダはサポートします。でも緑の服がないのに誰がゼルダでしょう? 実際にほとんどのBGMでゼルダと大きな関係がない場合や、リンクが単独で動く場合、村の中で夜のように一人でいる場合などでは右手部分だけが演奏されていることを確認できます。馬で移動するBGM自体は既存シリーズのゼルダテーマなので左手も一緒に動きます。ガーディアンの場合、またゼルダが研究に深く関与した技術なので左手の演奏が強烈に出てきます。また、四神獣の探検セクションBGMでは少しホラーな雰囲気を出すためにピアノの低音部を演奏したり、「ドーン!」と叩きながらメロディを続ける部分が聞こえますが、これはゼルダの魂が必死の力でカースガノンを抑えていて、リンクがその中で解決している部分を示唆する演出と見なすことができます。
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド ヴァ・ナボリス内部のテーマ(部分)/ 上記説明の例 非常に面白いのはこれと対照的な同じ鍵盤楽器である「オルガン」がありますが、オルガンはまさに「ガノン本体」のテーマ楽器です。ピアノとほとんど性質が似ている楽器ですが、その大きさは非常に大きく、重くても移動がある程度可能なピアノとは異なり、一つの建物に固定されて動かないオルガンは似ていながらも異なります。なので作中でオルガンは分身であるカースガノン戦では演奏されませんが、ガノン本体である厄災ガノンが眠るハイラル城のテーマと最終戦闘である厄災ガノン戦のテーマで再びオルガンが使用されます。ハイラル城の中でオルガンの演奏にピアノが入り込む部分も、リンクとゼルダだけが倒せるガノンだからその中に直接入っていくという演出を見せています。
https://youtu.be/yFYEzs6Gvsg?t=74
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド ハイラル城のテーマ(部分)/ オルガンサウンドの例 さらに最終戦闘中では厄災ガノンのエネルギー波を避けるために奔走しなければならないキャラクターを象徴するかのように狂ったように動き回るピアノの音とともに。途中でオルガンが演奏されるパートがあります。最初に出てくるオルガンの音は音が下がりますが、
https://youtu.be/_GZ27lgqmQM?list=PLh4Eme5gACZEAazTK1vSZn3DCYJLQ4YHH&t=76
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 厄災ガノン戦のテーマ(部分)/ 音が下がるオルガンサウンドの例 ボス戦が進行する中で最後の一撃の直前には必ず音が上がります。そしてすぐに厄災ガノンのヘッドショットを狙って矢を放つことでクリアになる点で、楽器の象徴性とメロディの演出が見える部分です。
https://youtu.be/Ahij0PMDFak?t=185
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 厄災ガノン戦のテーマ(部分)/ 音が上がるオルガンサウンドの例 ティアキンに移ってもピアノはメインBGM楽器として威厳を見せていますが、ピアノよりも存在感を示す楽器があります。それは中国の伝統楽器「二胡」です。すぐにメインOSTからしてブレワイとは異なり、ピアノよりも初めから二胡が強烈に出てくる部分を聞くとすぐに分かります!
https://youtu.be/A3WOploXoOY?list=PL2XjmdkuVL-3Yybg24FG_aBdLjBE4Quru&t=12
ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム メインテーマ 元々楽器二胡はゼルダのスカイウォードソードと前作のブレワイから竜のテーマとして使われていました。例外としてはゲルドの族長であるウルボサやルージュ、関連神殿のテーマでも二胡が使われています。しかしこれはあくまで私の考えですが、自然物である雷を扱うテーマなので電子楽器ではなくアナログ楽器で電気の感じを出さなければならない悩みがあり、その対策として電子楽器トラウトニウムやオンド・マルトノのような電子楽器の音をアナログ楽器の中で最も似たコンセプトを表現できる二胡が採用されたのではないかと思います。これはあくまで私の仮説なので参考程度にしてください!
https://youtu.be/v0aflcF0-ys?t=11
楽器オンド・マルトノの例 https://youtu.be/Y3uQ0pYMQjY?t=49
楽器トラウトニウムの例 とにかく、この二胡が竜のテーマとして使われる理由は、まずゼルダに出てくるモンスターではなくNPCの形の竜がほとんど東洋の竜の姿をしていることもあり、二胡が主に蛇の皮で作られる楽器であることからこの部分も通じるという点が面白いです。
??? : へえ~?あたし? それにティアキンでは当然ですがゼルダも竜になり、ガノンも竜になる作品なのでメインOSTからストーリーへの伏線としても使用されたという解釈が可能です。しかし、ここで二胡という楽器自体について詳しく見てみるとさらに興味深い解釈が可能です。まず、二胡という名前にふさわしく2本の弦を持って演奏する楽器であり、弦を締めて音を調節する「金軸」部分が他の弦楽器とは異なり上下同じ方向に一対が付いているのが一般的です。これはティアキンの中心ストーリーとも深く関係しており、プロローグからゼルダは一万年前の過去に飛ばされ、ゼルダが動かした過去の因果律によって新たな未来が生まれます。その未来をリンクが探検しながら二人が異なる過去と未来という時間軸の事件を同時に解決していく姿に例えることができます。時間軸が離れているように平行に伸びる二本の弦と、同じ方向を向く一対の金軸。そしてその二人のキャラクターが同時に動きながら解決していく、つまり演奏されるのがティアキンの二胡なのです。
(上/二胡の例)二胡だけが持つ独特の形もゲームのストーリーテリングに関係しているように見えます! そして大詰めのティアキン結末部!ゼルダが竜の姿から元の姿に戻り地上に落ちるシーン!ここでティアキンのメインテーマが首尾一貫した構造で再び再生されますが、オープニングで演奏された二胡の音の代わりにピアノが演奏されます。落ちていくゼルダを捕まえようと上から下へ全力で下降するリンクの姿がピアノで表現されているようで、その有名なキャラクターゼルダのテーマ曲が途中でメッシュアップされる!本当に、オタクの心を一気に萌えあがらせる音楽演出ではないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=yNNG9udQE0U&ab_channel=Vivi%27sRadioBackupChannel~RareVGM
ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム Final Fallテーマ / 二胡がもう演奏されずその代わりにピアノが演奏される。 ブレワイとティアキンの楽器演出分析、いかがでしたか?単に作品の雰囲気だけをリードするBGMの演出で、楽器にキャラクターの象徴性を込めて演出する部分が本当に何一つ欠かせない神ゲーではないでしょうか。ブレワイとティアキンのBGM演出のほとんどは、私たちにとっては[死の舞踏]でよく知られている「サン=サーンス」の[動物の謝肉祭]と類似した演出技法を見せているようです。だからこそ各状況に合った楽器を選び、その楽器に象徴性の強い演出まで加える点を見ると、神ゲーは簡単には作られないことが分かります。この他にも、分量の都合上説明できなかった素晴らしい演出がたくさんありますが、コメントを通じて他の事例や意見をお寄せいただけると大変ありがたいです。
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